リハラボ

知っておくと役に立つリハビリの知識を紹介

負荷設定の仕方

はじめに

最近カラダ作りの為に筋トレを始めた、またははじめようと思っている方は多いと思います。

そんななかで迷うのが特にウェイトトレーニングの負荷設定ではないでしょうか。

ジムなどに行ける人はインストラクターに聞いたりすることもあるかと思いますが自宅でトレーニングする人によっては自分で考えて負荷を決める必要がありますよね。

今回はそんな筋力トレーニングの負荷設定について詳しくわかりやすく解説していきます。

 

負荷設定の重要性

筋力トレーニングにおいて『最適な負荷量を決める』ということは非常に重要でこれができていないと毎日のように取り組んでいても思うような効果は得られません。

まずはなぜ負荷設定が重要なのかを解説していきます。

 

トレーニング効果アップの為

負荷設定にこだわる最も大きな理由は『トレーニング効果がアップする』からです。

筋肉はトレーニングを経て傷つき、回復過程でさらに強くなるという『超回復』と言われる仕組みで成長していきます。

その為、まずは『筋繊維を傷つける』という過程が必要になってくるのです。トレーニングの原則には過負荷の原則というものがあります。

それは『普段より少し辛い負荷』をかけることで筋力がつくという法則です。

筋肥大(太くする)ことを目標にするのであれば低すぎる負荷で行っても理論上効果は生まれません。しっかりと筋肉を追い込める負荷に設定しましょう。

 

トレーニングの停滞予防

「一度負荷を決めてしまえばそれでよいのか?」

答えはNoです。

これは筋力トレーニングの原則の1つ、漸進性の原則というものに当てはまります。

漸進性の原則とは簡単に言うと「負荷を徐々に上げましょう」ということです。筋肉は負荷に応じて適応してくるため、一定の重さに到達するとそれ以上の筋肥大を狙うためには負荷を上げていく必要があります。

また可逆性の原則というものもあり、トレーニングを一旦行わなくなってしまうと毎日の活動量に応じて元の状態に戻っていく性質があります。

これらの性質から負荷設定はさらなる筋力アップを狙うためにはこまめに負荷の設定を行っていく必要があるんですね。

 

パフォーマンスアップ

ひとえに『負荷』というのは重りの重さだけを指しません。トレーニングの頻度、回数を増減することやさらに難易度の上がった動きに挑戦することも『負荷』という言葉の意味に含まれます。特にパフォーマンスアップを狙うのであれば同じような目的の運動でもより実践に近いような難しい動きにも挑戦していきましょう。

 

怪我の予防

『負荷設定』と聞くとどうしても負荷を上げる方のイメージがありますが、負荷が高すぎる場合もあります。

負荷が高すぎると思わぬ怪我や痛みなどにつながる可能性があります。

マシンなど運動の方向が決まっているようなトレーニングでは可能性は低くなりますが、ダンベル・バーベル等を使ったフリーウェイトトレーニングではダンベルを落とすなど危険があります。

またマシンなどでも重すぎる負荷を無理やりすると、目的としている筋肉が過剰に働き代表的な部分でいえば腰痛や首痛などの原因になります。

フォームなどを修正してもこれらの部分に痛みが出る等問題があれば負荷が重すぎる可能性があります。

 

負荷の設定方法

それでは実際に負荷設定をすすめていく際にはどのようなポイントに注意して設定していったらいいのかについて解説していきます。

今回はダンベルを使ったトレーニングなど重りを上げたり押したりするいわゆるレジスタンストレーニングと言われるものの基礎的な負荷設定についてご説明していきます。

中級者~上級者になってくると様々な理論から負荷の設定の考え方が異なる場合もあります。

ただ少なくともこれからトレーニングを始める、あるいは始めたばかりの初心者の方であれば下記の方法を理解しておけば十分かと思います。

 

まずはフォームの確認!

正しい負荷を選ぶ前提条件、それは正しい方法で実施できていることです。

怪我の予防の項目で説明した腰痛や首痛は正しいフォームでできていない場合でも発生します。本当はフォームが原因で出ている痛みにも関わらず負荷をいたずらに下げてしまうと非常にもったいないですよね。

筋トレの注意点や正しい動きについては、トレーニング別に細かくされたものが世の中にたくさんあります。そのような情報を参考にしながら、特に初めてのトレーニングの場合は極端に軽い負荷から始めてまずはフォームを正しくできるように意識しましょう。

 

回数、重さの目安

・理想の重さ、回数とは?

一般的な筋肥大(筋肉を大きくする)の為の負荷については諸説ありますが最大筋力の70~80%程度の負荷で2~3セットトレーニングを行うことができれば効果的であるといわれています。

通常トレーニングの際に人間はすべての筋力を発揮することはありません。そのため全体的に筋肉をまんべんなく使いトレーニングを行うためには複数セットを行う必要があるんですね。

皆さんもしんどい運動をした後、休憩をはさむとまた同じ運動ができるようになった。

という経験があるかと思います。これは人間が1回の運動ですべての筋力を使わないからこそできる芸当なんです。休憩時間は1分~2分程度にしてあまり長くなりすぎないように注意しましょう。

・具体的な負荷設定の方法

ここまで、基準とされている負荷や回数について触れてきました。しかし『最大筋力の70%~80%』と言われてもいまいちピンと来ないと思います。そこで筋トレでは回数と疲労度の関係で適切な負荷をはかる指標があります。

簡単にその方法をまとめると、『8~12回程度の回数で限界が来る重さ』と考えてください。

8~12回の運動→インターバル(1~3分)→8~12回の運動→インターバル→8~12回までの運動→もう限界

というサイクルで行えれば初心者の方の負荷設定としては理想的と言えます。

 

難しければ低負荷でもOK

とはいえ初めからぴったりとこの回数に当てはまるようにはなりません。

「このぐらいかな?」と思った負荷でも20回ぐらいできてしまったり、逆に言えば2セット目や3セット目に重すぎてまったく運動ができなくなったりなどの問題も出てくるでしょう。

しかし、低負荷であろうが限界まで運動することでがあるといわれています。

低負荷高頻度の運動になってしまっても限界まで運動をして次回から重量を少し上げてみるようにしましょう。

また高負荷すぎる場合も2セット目、3セット目と負荷を落として実施して、限界まで行うことで効果があります。(実際そういった負荷設定の理論もあります。)重要なのは「限界まで行うこと」というのを意識して初心者のうちは行っていきましょう。

この作業を繰り返していけばおのずと理想の負荷が分かりますし、負荷設定の更新も細かい頻度で行うことができます。

まずは『始める』『継続する』ということが重要です!

 

動きで負荷を変える

前述にもありましたが運動負荷を調節する為には何も重さを変えるだけではありません。(重さは数値的な指標なので一番わかりやすいですが・・・)

代表的なところでいうと『運動のスピード』です。

例えば腕立て伏せを例にすると、普通のスピードで腕立てをするのと肘を曲げて降ろしていく際にゆっくりとおろすことを意識したものとでは明らかに負担が変わります。(試してみてください)

少し難しい表現ですがこの時の筋肉の状態は遠心性収縮という状態になっています。この遠心性収縮、腕立て伏せでいえば重力に負けないように運動を行っている状態は筋肉への負荷が高い状態です。

筋力トレーニングではこのように戻す時にゆっくりとする。というのが重要です。いつまでたっても負荷設定がしっくりこない場合は自分なりに運動のペースも統一して行えば負荷設定も行いやすくなっていきますよ。

 

さいごに

いかがだったでしょうか。筋力トレーニングで最も重要で難しいことは『継続する』ことだと思います。

苦しいトレーニングを経るからこそ、トレーニングは効果的に行いたいですよね。

負荷設定はその効率の部分を占める最も重要な要素です。せっかくの努力を無駄にしないように負荷設定にはしっかりとこだわってトレーニングを行っていきましょうね!