リハラボ

知っておくと役に立つリハビリの知識を紹介

睡眠をとりやすくする方法

はじめに 

皆さんはどのくらいの時間睡眠をとっていますか?普通の人はもちろん筋トレをしている人にとって睡眠の質は非常に重要なものになります。

 

しかしいざ睡眠を意識しても適切なルールや睡眠を深くする方法は初めからわからないモノです。

 

今回はそんな疑問に答える為に、筋トレと睡眠の関係性の基礎的な部分に触れたうえで眠りを深くする為の5つの工夫についてご紹介していきます。

 

知っておきたい睡眠のメカニズムと筋トレを効果的にするためのルール

睡眠のメカニズム

まずは睡眠のメカニズムについて簡単なところだけ理解していきましょう。

 

▪️浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)

正しい睡眠を考えた時、人間は睡眠の時、深い眠りと浅い眠りを繰り返します。その周期は個人差はあるものの、おおよそ90分で1セットのサイクルであるといわれています。

 

理論上このセットが終わったところで起きると最もすっきりと起きることができますので睡眠時間を考える際は90分を1サイクルとして計画をたてていきましょう。

 

▪️ゴールデンタイムは就寝後3時間

筋肉を回復する成長ホルモンが最も分泌される時間は就寝後3時間と言われています。ですので筋トレの効果を上げるためには就寝後3時間の質を高める必要があります。

 

▪️就寝時の体温変化

質の良い睡眠と体温の関係性は切っても切り離せません。人間は入眠に備えて深部体温を徐々に下げていきます。体温を下げる為に大切なメカニズムが熱の放散です。最も熱を放散させる部位は手足の末端部分です。

小さなお子様の手足が寝る前に暖かくなる現象を経験した方もいるとは思いますがこの現象がまさにこの放散に由来するといわれているんですね。

 

▪️メラトニンと睡眠時間

深夜3時ごろから「メラトニン」という睡眠ホルモンが活発になります。メラトニンは体温を上げ、朝に向け体を起こす準備をするためのホルモンです。

 

筋トレの効率を上げるためのルール

上記の睡眠のメカニズムを理解した上で筋トレを行う上で最も基本的なルールを把握しておきましょう。これは筋トレした筋肉の回復を促す成長ホルモンの分泌、後日に疲れを残さず日常生活を送る為の大前提のルールです。

 

▪️入眠は10時~0時のタイミングで

 

寝るタイミングは重要です。

 

上記の説明のように覚醒するためのホルモンのメラトニンが活発になるのが深夜3時ごろからと言われていますのでこの時間にゴールデンタイムの就寝後3時間が被ると疲労回復の効率は悪くなります。

 

ですので遅くとも0時には睡眠の状態に入っておく必要があります。

10時から2時までがゴールデンタイムという話がありますが大事なのはこの時間の中で入眠することではなく、この時間には『すでに眠りについている』ということなんですね。

 

▪️少なくとも6時間以上は就寝する

最も理想的な就寝時間は6~9時間と言われ、それぞれの疲労具合で寝る時間を調整する必要があります。

 

就寝は90分サイクルで訪れますので、理論上、筋トレをしている人はしていない人よりも長く眠ることが疲労を回復する上で必要なはずです。

 

6時間よりも少し長めの7時間半から始めてみてはいかがでしょうか。

 

▪️就寝直前には筋トレを行わない

適度な時間の筋トレは睡眠を深くするという研究がありますが、筋トレを就寝直前(30分前など)に行ってしまうと交感神経(目が覚める神経)が刺激され寝付けなくなってしまいます。寝る時間を前提としたトレーニングスケジュールを組みましょう。

 

▪️毎日規則的に行う

寝るタイミング、寝る長さを意識してもそれが毎日バラバラでは意味がありません。

 

毎日同じ習慣で行うことで生活リズムが安定します。夜更かしや過度な早起きがないように普段から寝る時間を前提としたスケジュール調整を行うように仕事や家事のスケジュール調整も必要になってきますね。

 

まずは4つのルールを普段から取り組めているかを確認しましょう。これからご紹介するような睡眠の取り組みを行っても上記のルールでできていなければ効果は上がりませんよ!

 

睡眠の質を上げる為に取り組みたい5つのこと

睡眠の質を上げる為には入眠時3時間をぐっすり寝られることと深い睡眠ができることが重要になります。下記の5つの取り組みは『寝つきをよくすること』『ぐっすり眠ること』為に効果的な方法と言われています。

 

①体温の上昇、スムーズな熱放散を促す為に運動をする

就寝前の運動については適度な疲労感の運動であれば問題ないとする理論もありますが、筋力を増やすような本格的なトレーニングは就寝前は避けるべきです。

 

よい睡眠をとるためには就寝前の時間は避けましょう。生活サイクルがあるのでこの時間と限局することは難しいですが、筋トレに最適な時間は16:00~18:00の夕方の時間帯が最も適切と言われています。

 

しかし普段仕事などをしていてこの時間にトレーニングできない人がほとんどでしょうから、食事と就寝の兼ね合いを考えたトレーニングの時間設定が重要となります。

 

一般的に食後すぐ~2時間程度は筋トレを行う時間には向きません。ですので食後2時間後程度から筋トレをはじめて遅くても就寝の2時間前には終了しているぐらいの時間帯が適しているといえます。

 

この間に入浴やリラックス効果のある取組身をしてさらに入眠への質を高めましょう。良質な睡眠だけを狙うのであれば筋トレよりもジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることでさらに睡眠の質を高めることができるといわれています。

 

②熱すぎるお風呂は深い睡眠の妨げに

お風呂に入った後なんとなくさっぱりするという理由で極端に熱いお湯につかっていませんか?

 

入浴の方法と睡眠の質は大きくかかわっており、最も睡眠の質を上げる為に適した温度は度から40度程度の熱すぎないお湯に分ほどの入浴がいいといわれています。

 

睡眠に関する書籍として有名な『スタンフォード式最高の睡眠』の著者である西野教授によると入浴する時間は睡眠前の体温上昇から睡眠直前の体温低下に向けてのメカニズムから、最も適切なのは就寝90分前とのこと。

 

寝る直前にお風呂に入る方もいますが、質の高い睡眠を手に入れるためにはお風呂に入っている時間だけでなく入るタイミングも意識する必要があるということですね。

 

③ 寝具で睡眠の質は大きく変わる

睡眠をとる環境は大きく影響します。温度の管理は夏場なら冷やしすぎず、冬場は熱すぎず設定することが重要です。夏は26℃以下、冬場は16℃から19℃が適切です。

 

また寝具も重要で、良質のマットレスや布団は睡眠の質を向上するための科学が詰まっています。全ての人に適応するわけではなく価格もそれなりにするものが多いですが眠りは人生の3分の1を占める作業です。

 

自己投資だと思ってショールームなどで試してみて自分に合ったものがないかを見つけて見てもいいですね。

 

④眠りの直前にカフェインは摂取しない

眠りにつく直前はできるだけ神経がリラックスしている状態になっている必要があります。

そのため睡眠前に覚せい作用のあるコーヒーやエナジードリンクなどを飲むことは避けましょう。コーラなどのソフトドリンクやチョコレート等にもカフェインが含まれているので注意です。

 

どうしても寝る前に何か飲みたいというかたは緑茶は少量にする(ストレス緩和作用もある為)、牛乳やハーブティーなどはリラックス効果があるとされているのでOKです。

 

さらに食材にもこだわりたい場合はトリプトファンという食材がリラックス効果にいいとされています。トリプトファンはレバーや鶏むね肉、まぐろ、カツオなどの魚、大豆や乳製品、アーモンドなどに含まれていますので夕食の食材に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

⑤その他

睡眠前にアロマや、音楽(川のせせらぎなどの自然の音、クラシック音楽など)でリラックス効果を高めることができます。

 

普通は静かな状況が望ましいですが、部屋の環境上どうしても近隣施設や道路の音が気になるという方はこのようなリラックス効果の高い音を使用して打ち消してみるのも手ですね。

 

さいごに

いかがでしょうか。筋トレと睡眠の関係性と睡眠のメカニズムを知ることによって以外に簡単な方法でみなさんの睡眠の質が改善できる可能性があることがお分かりいただけたと思います。

 

一生懸命取り組んでいる筋トレが少しでも身を結ぶように今日から睡眠改善の工夫を実践してみてはいかがでしょうか。