リハラボ

知っておくと役に立つリハビリの知識を紹介

最近息切れや呼吸にやや不安を感じ始めた方は必見。自宅でできる簡単呼吸体操を紹介。

みなさんの中には最近息が切れやすくなった・・長年の喫煙歴があり呼吸が心配・・という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

息が切れるのは体力の低下だけが原因ではなく、呼吸方法や体の柔軟性が関係しているのです。

今回は呼吸機能低下の予防にもなる、自宅でできる簡単な呼吸体操を紹介していきます。

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呼吸機能が落ちる原因

病気により肺機能が落ちてしまうケース

肺の機能が落ちてしまう病気はいくつかあります。

その代表的なものを紹介していきます。

 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

もともとは慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。

タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。

最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症します。

タバコの煙を吸入することによって肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下してしまいます。

また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。

 

肺炎

中でも「特発性間質性肺炎」は大きく肺機能低下に関係します。

間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため酸素を取り込みにくくなる病気です。

間質性肺炎の原因は様々ですが、原因不明のものを特発性間質性肺炎と総称します。

症状としては、初期には無症状のことが多く、病状がある程度進行してくると動いた時の息切れや痰を伴わないせきを自覚するのが特徴です。

 

胸郭周囲の柔軟性が落ちてしまうケース

胸郭とは自分の胸の部分、肋骨がある箇所を想像していただければ大丈夫です。

胸郭と呼吸は大きく関係しており、呼吸を行う際には胸郭が連動して動いています。

呼吸を行う際に胸に手を当てていただければ一緒に動いているのが良く分かると思います。

この胸郭が硬くなっている人は肺に空気を溜めにくく、呼吸しづらくなっているのです。

胸郭が硬くなる原因は様々ですが、上記に挙げた病気の他、加齢や胸郭を動かさないことでも自然と硬くなっていきます。

 

 呼吸機能低下による悪影響

呼吸機能の低下や息切れはそのまま放置していくと以下のような悪循環に陥ってしまいます。

肺機能の低下

息切れが強くなってくる

あまり運動を行わなくなっていく

筋力低下など身体機能が低下していく

息切れの増加

 

しかし、逆に意識的に呼吸機能の改善を行うことで以下のような好循環へと移行することも可能です。

呼吸体操を行い呼吸が楽になる

日々の体操や散歩が比較的楽に行える

息切れ症状の改善

筋力向上など身体機能がアップする

さらなる息切れ症状の改善

 

このように好循環へと移行できるよう次の項目から自宅でできる簡単な呼吸方法を紹介していきます。

 

呼吸体操方法の紹介

肩の上げ下げ

1 両足を肩幅くらいに広げ、まずは背筋をピンとしてリラックスします。

2 鼻から息をゆっくりと吸い、両方の肩を呼吸と一緒にゆっくりあげていきます。

3 さらに息を吸いながら肩を回すように後ろの方へ下げていきます。

4 息を吸いきったらゆっくりと息を吐いていきます。そのとき肩の力を抜きながら最初の姿勢へと戻していきます。

 

背伸び体操

1 両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと息を吸います。

2 ゆっくりと息を吐きながら組んだ腕を上に伸ばし、背伸びをしていきます。

3 首を前に倒して腕を後ろに引きながら息を吐き切ります。

 

側部のストレッチ

1 片方の手を頭の後ろへ、もう片方の手を腰に当て、息をゆっくり吸います。

2 吸いきったら、ゆっくりと息を吐きながら手を腰に当てた方へ体を倒していきます。

3 息を吐ききったら最初の姿勢へと戻ります。これを同様に反対側でも行います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

普段あまり行うことのない胸郭の運動ですが、これを続けて行うことで柔軟性がアップしていき、呼吸機能の向上にも繋がっていきます。

当たり前に行っている呼吸ですが、意識することで身体機能や呼吸機能の低下予防にもなります。

道具も必要なく、簡単に自宅で行えるのでぜひ実践してみてください。