治療手技カウンターストレインの紹介
カウンターストレインの発見
カウンターストレインはアメリカの開業医ローレンス・ジョーンズによって提唱された治療手技で、偶然起こったある出来事により発見されました。
それはDr.ジョーンズが重篤な腰痛をもった青年の治療を行なっていた時のことでした。
その青年は身体を直立させることができない程の腰痛で、6週間の間に何度か治療を行なったけれど、治療を効果的に進めることができませんでした。
4ヶ月経つとその青年の症候群はますます悪化しており、眠れない程になっていました。
ある日その青年を治療している最中に電話がかかってきて、Dr.ジョーンズはその青年が最も楽だという姿勢にし、枕などで支えしばらくの間待たせていました。
Dr.ジョーンズがその青年のところに帰ってきて青年が起き上がるのを手助けすると、4ヶ月直立できなかった青年が直立することができるようになっていました。
この出来事をきっかけにカウンターストレインという治療手技が誕生しました。
圧痛点へのアプローチ
Dr.ジョーンズは患者に安楽な姿勢をとってもらい、放置する時間は90秒という時間が最大限に効果を引き出すことができ、それ以上でもそれ以下でも90秒保持した時以上の効果は得られることがないことを確認しました。
カウンターストレインを行うにはまず圧痛点を探すことが重要になってきます。
圧痛点を探したら、その圧痛点を押圧しながら、関節を動かしていき、圧痛がある筋肉を弛緩させていきます。
そうすることにより圧痛が3割〜消失する姿位があるはずなので、微調整しながら関節を動かしていきます。
圧痛が3割〜消失する姿位が見つかったら、そのポジションで90秒保持します。
90秒経ちましたらゆっくりと元の姿位に戻していき、アプローチ前と同じ圧力と同じ方向で圧痛があった部位を押圧します。
その押圧した時の圧痛の程度を評価します。
ストレイン、カウンターストレイン
ストレインとは筋や神経系の反射に付随して起こる筋や腱、靭帯、筋膜の過度の伸張によって引き起こされる状態を言います。
カウンターストレインとは直訳すると「逆緊張」という意味であるが、筋の反射を抑制させることを言います。
傷んだ箇所のある筋肉を伸ばそうとすると、筋紡錘からIaないしタイプII繊維は伸張性が受容器からの信号を受けるため、伸ばそうとすればするほど痛みを生じます。
カウンターストレインは筋肉を過短縮するため、筋肉から出るインパルスが抑制されます。
その状態が90秒続くと筋肉は弛緩し圧痛を消失させます。