リハラボ

知っておくと役に立つリハビリの知識を紹介

最近になってよく聞くようになった筋膜リリースって?

筋膜という言葉を今ではあたりまえのように使うようになりました。

 

筋膜は一昔前までは人の身体にとって重要なものだと理解されておらず、人体を解剖する際に筋肉や内臓を見るためには邪魔なものだとされ捨てられていたそうです。

 

しかし、近年研究が進み筋膜は原因不明とされていた疼痛や機能障害の治療にも用いられるようになりました。

 

筋膜の概要

筋膜は全身に連なっており、三次元的に連続した結合組織です。

 

筋膜は身体のすべての他の要素を被っており、身体の中の骨や筋肉を取り除いても身体の形を形作っているため第2の骨格とも言われています。

 

筋膜は膠原線維と弾性線維からなり、膠原線維は弾性線維のように弾力性はなく、張力に対しては強い抵抗を示し、弾性線維は組織に柔軟性を与え、組織が伸張した後正常な状態に戻る能力を持ちます。

 

筋膜機能異常と症状

筋膜の機能異常が起こると様々な症状が現れます。

・筋膜の短縮や癒着

・関節可動域制限

・筋の廃用性萎縮・弱化

・血流障害

・結合組織の細胞間物質の密度変化やその部位の栄養障害

・アライメント不良

・筋・筋膜痛症候群

などが挙げられます。

 

筋膜セーターコンセプト

筋膜の概要のところで筋膜は全身に連なっているという話をしました。

 

筋膜を1枚のセーターと見立てた時、そのセーターの一部がよじれるとその部分の障害だけでは治まらず、他の部分まで波及してしまいます。

 

この考え方のことを筋膜セーターコンセプトと言います。

 

またこの考え方が治療を行う上でも大事になってきます。

 

 筋膜リリース

筋膜リリースとは徒手による全身の筋膜を対象として、筋膜のねじれやゆがみをリリース(解放)する手技のことを言います。

 

筋膜リリースは無理な力では逆効果であり、穏やかな持続した圧力で伸張するのがポイントになります。

 

それにより粘稠度が変化し、膠原線維線維の制限がリリースされていくわけです。

 

また、弾性線維は最初の10秒程で伸張されますが、膠原線維は90秒から120秒(長くて5分間)圧を持続する必要があります。

 

リリースの時間を長いと思うかも知れませんが、技術の上達により時間は短くなります。

 

 他の手技との組み合わせ

筋膜リリースだけで良くなる患者さんもいれば筋膜リリースだけでは良くならない患者さんももちろんいます。

 

その時は他の手技との組み合わせも必要となってきます。

 

関節の方にも問題があれば関節モビライゼーションを行う必要があるかも知れません。

 

筋の痛みが強くて筋膜リリースが行えない場合ら筋リラクゼーションが必要となってくるかも知れません。