変形性膝関節症の痛みは膝蓋下脂肪体にあり!?
変形性膝関節症の患者さんで「膝の軟骨がすり減ってね〜」と言って膝を痛がっている方がよくいると思います。
しかし、本当にその患者さんは膝の軟骨がすり減って膝を痛めているのでしょうか?
変形性膝関節症の痛みの分類
変形性膝関節症の痛みを整理しますと、主に
・炎症による痛み
・機能低下による痛み
・構造的破綻による痛み
の3つに分けられます。
そして、それらに対する対処法も3通りありまます。
患者さんが「膝の軟骨がすり減ってね〜」と言う痛みは上記の3つの中でも構造的破綻による痛みに分類されるかと考えられます。
しかし、軟骨では痛みがほとんど感じません。
軟骨が完全にすり減ってしまい、軟骨下骨に達して初めて痛みが生じます。
また、こういった状態ですと神経が剥き出しになっているため、鋭い痛みが走ります。
そして、軟骨下骨まで達した際には構造的破綻を起こしており、末期の状態ですのでリハビリではなく手術の適応となります。
そこで、思うのが本当にその患者さんの膝は軟骨が減ったことが原因で痛みを出しているのかということです。
変形性膝関節症の患者さんで膝に痛みが出る原因は構造的破綻以外にも炎症によるものや機能低下によるものがありまます。
そして、リハビリの適応になるのが機能低下によるものになります。
機能低下によるものの中でも多いのが膝蓋下脂肪体由来の痛みです。
膝蓋下脂肪体由来の痛みの特徴
膝蓋下脂肪体由来の痛みの特徴として
・起立着座で痛みが出る
・膝前面に鋭痛がある
・完全伸展が足りない
・膝蓋腱の外側に圧痛がある
などがありまます。
膝蓋下脂肪体由来の痛みの治療では即時性があり、その日のうちに痛みが消失することや半分になることもよくあります。
変形性膝関節症の患者さんで「膝の軟骨がすり減ってね〜」と言う患者さんでもしっかりと評価をして適切な治療を選択することが患者さんの信頼を勝ち取ることに繋がりますので、痛みの原因はいろいろ疑ってみてください。